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多幡 達夫*; 白井 稔三*; 左高 正雄; 久保 博孝
Atomic Data and Nuclear Data Tables, 92(3), p.375 - 406, 2006/05
被引用回数:73 パーセンタイル:95.12(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)窒素分子と窒素分子1価イオンの電子衝突断面積は、低温プラズマの研究分野では重要とされている。例えば、核融合研究では、窒素ガスをダイバータプラズマに入射し放射冷却を増大することにより低温ダイバータプラズマを生成しダイバータ板の熱負荷を低減する実験が行われているが、この低温ダイバータプラズマをモデル化及び診断するためには窒素分子と窒素分子1価イオンの電子衝突断面積が必要である。ここでは、2003年までに実験的に測定された窒素分子と窒素分子1価イオンの電子衝突断面積を収集した。対象にした衝突過程は、弾性散乱,運動量移動,回転励起,振動励起,電子励起,電離,解離,発光の74過程である。収集した断面積は、図にまとめ、評価し、推奨値として解析的表式を当てはめた。解析的表式としては、Green and McNealの経験式を変形したものを用いた。
Makochekanwa, C.*; 加藤 英俊*; 星野 正光*; 田中 大*; 久保 博孝; Bettega, M. H. F.*; Lopes, A. R.*; Lima, M. A. P.*; Ferreira, L. G.*
Journal of Chemical Physics, 124(2), p.024323_1 - 024323_9, 2006/00
被引用回数:16 パーセンタイル:48.25(Chemistry, Physical)構造異性体関係にあるプロペンCHとシクロプロパンc-CHの電子衝突断面積について報告する。これら分子の電子衝突断面積は、核融合プラズマ,プロセスプラズマにおいて重要な基礎データである。エネルギー1.5-100eV,散乱角20-120度の領域で電子散乱微分断面積を測定した。一方で、弾性散乱の全断面積,微分断面積及び運動量移行断面積をSchwinger-multichannel法を用いて計算した。プロペンの1.2-2.0eVのエネルギー領域で観測された*形状共鳴がCH, CFと類似していることは、これら分子の分子構造における2重結合の効果を示す。60eV以下の衝突エネルギー領域では、プロペンとシクロプロパンの全断面積,微分断面積及び運動量移行断面積のピークのエネルギー,大きさに異性体効果による違いが観測された。
松本 太郎; 内藤 裕志*; 徳田 伸二; 岸本 泰明*
Nuclear Fusion, 45(11), p.1264 - 1270, 2005/11
被引用回数:14 パーセンタイル:43.56(Physics, Fluids & Plasmas)核融合プラズマの中心部のような高温になると電気抵抗が小さくなるとともに、電子慣性等の非衝突効果(運動論的効果)が磁気再結合過程に深くかかわる。本研究では、これらプラズマの粒子性を物理的に忠実に取り扱う観点から、ジャイロ運動論的粒子モデルを用いた3次元シミュレーションにより、反転磁気シア配位トカマクにおける磁気再結合を伴うMHD不安定性に対する運動論的効果の解明を目的とした。反転磁気シア配位において二つの共鳴面の距離が近いと、互いの共鳴面における摂動が結合し、ダブルテアリングモード(DTM)と呼ばれる内部モードが生じる。高温プラズマにおいて電子慣性により誘起される運動論的DTMは、抵抗性モデルにより予期されるものより、速い内部崩壊を引き起こし得ることが明らかとなった。さらに、内部崩壊により掃き出された電流は、DTMが作り出した静電ポテンシャルに導かれて凹型に再集中し得ることが明らかになった。本研究は、低ベータ負磁気シア実験におけるディスラプション機構の一端を示しており、またDTMを経た電流分布の再分配により負磁気シア配位を再構築し得ることを示唆している。
松本 太郎; 内藤 裕志*; 徳田 伸二; 岸本 泰明
Physics of Plasmas, 12(9), p.092505_1 - 092505_7, 2005/09
被引用回数:2 パーセンタイル:6.85(Physics, Fluids & Plasmas)磁気流体力学(MHD)不安定性の研究は、プラズマを閉じ込める磁気面の保持/再生にかかわる、トカマク炉心プラズマ研究の中心課題である。核融合プラズマの中心部のような高温になると電気抵抗が小さくなるとともに、むしろ電子慣性,有限ラーマ半径等の非衝突効果(運動論的効果)が磁気再結合過程に深くかかわる。本研究では、ジャイロ運動論的粒子モデルを用いた3次元シミュレーションにより、磁気再結合を伴うMHD不安定性に対する運動論的効果の解明を目的とした。電子慣性の特徴的長さは電子スキン長であるが、それと比較して磁気再結合にかかわる他の素過程の特性長(イオンラーマ半径,抵抗層の厚さ等)が小さい場合、キンクモードは主として電子慣性によって誘起されると考えられる。しかし、このような電子慣性が支配的な運動論的キンクモードに対して、磁力線方向の電子圧縮性がわずかに存在する場合は、磁気再結合点近傍の電流構造を非線形的にY型からX型に変化させる。それゆえ、線形成長過程において電子慣性により支配されていたモードは、非線形的に成長率を加速させ、ある一定以上の成長率に達して内部崩壊に至ることが明らかとなった。また、このような非線形加速は、DTM等の内部モードに共通して現れる現象であることも判明した。
松本 太郎; 徳田 伸二; 岸本 泰明; 内藤 裕志*
Physics of Plasmas, 10(1), p.195 - 203, 2003/01
被引用回数:5 パーセンタイル:16.93(Physics, Fluids & Plasmas)高温プラズマにおける磁力線の再結合現象の要因として、温度上昇に伴い低減する電子の衝突による抵抗に加えて、温度に依存しない電子慣性などのプラズマの粒子性に起因する運動論的な効果が重要な役割を担うと考えられる。本研究ではプラズマ中における鋸歯状振動の内部崩壊現象の非線形的な振る舞いを解明するために、ジャイロ運動論的粒子モデルに密度勾配の効果を考慮した無衝突m=1モードのシミュレーションを行ってきた。完全磁気再結合過程は変化させない程度の密度勾配が、自己形成径電場、すなわちm=0モードを生成し、この径電場が二次再結合及び安全係数分布の時間発展等の完全再結合後の現象を大きく変化させることが明かにされた。径電場の成長メカニズムは、イオンと電子のEBドリフトの差異により説明され、その差異は磁場方向の電子の速い運動が引き起こしている。m=1モードによる対照的なフローにより、一度径電場が引き起こされると、m=0モードがm=1モードと同レベルまで成長し、イオン反磁性方向にEBプラズマ回転を駆動する。完全再結合後の密度及び電流分布、そして安全係数の最小値は、m=1及びm=0モードによる非対称フローによって大きく影響される。
大道 博行
Reports on Progress in Physics, 65(10), p.1513 - 1576, 2002/10
被引用回数:190 パーセンタイル:75.22(Physics, Multidisciplinary)X線レーザー開発は1960年代の再結合型の提唱に始まる。本論文では、初期の提案,70年代の分光学的研究,80年代の疑う余地のないX線レーザーの実現,その後の短波長レーザー,放電型レーザー,長波長レーザーの発振について詳細にレビューしている。方式は電子衝突励起型,再結合励起型を中心に紹介している。次に極短波長域X線レーザー(h,1keV)の開発につながる光励起方式,内殻電離方式等、これまで成功は収めてないものの、超短パルス高出力レーザー励起方式により新しい展開の望める方式を紹介している。最後に主として電子衝突励起方式X線レーザーを用いたX線レーザー干渉計,ラジオグラフィー,モアレディフレクトメーター,顕微鏡等のX線レーザー応用研究の系統的レビューを行っている。最後のまとめで、今後の開発計画に対する見解を述べている。
河内 哲哉; 加道 雅孝; 田中 桃子; 佐々木 明; 長谷川 登; Kilpio, A.*; 難波 慎一; 永島 圭介; Lu, P.; 高橋 謙次郎; et al.
Physical Review A, 66(3), p.033815_1 - 033815_7, 2002/09
被引用回数:85 パーセンタイル:93.02(Optics)銀及び錫のスラブターゲットに線集光したCPAガラスレーザー光(時間幅4ピコ秒のプリパルスと加熱パルス。パルス間隔1.2ナノ秒)を照射した。本実験ではレーザーの集光光学系に階段ミラーを導入することにより励起光を疑似進行波とし、それにより波長13.9nmと12.0nmの過渡励起電子衝突レーザーにおいて飽和増幅を達成した。利得係数は銀レーザーで35 [1/cm],錫レーザーで30[1/cm]であった。入力エネルギーは各々12J及び14Jであり、小型励起光源を用いた過渡励起電子衝突レーザーとしては最短波長での飽和増幅である。実験的に評価した飽和強度と理論計算による予測との比較から、X線レーザーの線幅としてイオン温度に起因する不均一拡がりと、レーザー準位の衝突励起脱励起に起因する衝突拡がりの両方が、ニッケル様イオンレーザーの場合には重要であることを見い出した。流体コードと衝突輻射モデルを組み合わせた計算に、この線幅の効果を取り入れることにより、実験的に観測されたレーザー線利得の発生位置及びその利得係数の大きさをほぼ再現することができた。
徳田 伸二; 芳野 隆治
Nuclear Fusion, 39(9), p.1123 - 1132, 1999/09
被引用回数:21 パーセンタイル:56.36(Physics, Fluids & Plasmas)シミュレーションによって、ディスラプション時に予想される幅をもつ磁気島は相対論的電子の無衝突損失を引き起こし、その損失率は逃走電子発生を回避・抑制するのに十分に高いことが確認された。これは、ディスラプション時の磁場揺動に対しては、トロイダル運動量保存の破れによる閉じ込め損失が相対論的電子に働く位相平均効果による閉じ込め改善を上回るためである。このシミュレーション結果は、逃走電子発生を回避するプラズマ緊急停止に関するJT-60U実験結果に対して強い裏付けを与える。
久保 博孝; 後藤 基志*; 竹永 秀信; 熊谷 晃*; 杉江 達夫; 櫻井 真治; 朝倉 伸幸; 東島 智; 逆井 章
プラズマ・核融合学会誌, 75(8), p.945 - 951, 1999/00
ダイバータプラズマの電子温度密度の測定は、ダイバータプラズマの理解に欠かすことはできない。この測定には、通常静電プローブが用いられているが、それは熱流束による損傷を免れ得ない。熱流束の影響を受けない方法として、He Iスペクトル線(668nm,706nm,728nm)の放射強度比を用いた測定が考えられた。JT-60Uダイバータプラズマでは、この3つのスペクトル線の放射強度を同時に測定した。この強度比を用いた温度密度測定の可能性を評価するために、測定した強度比を静電プローブで測定した温度密度に基づいて計算した強度比と比較した。その結果、測定結果は計算結果と誤差約12%で一致した。したがって、これらスペクトル線に対する放射係数は、温度密度測定に十分適用できる精度を有することがわかった。
徳田 伸二; 樋口 高年*
JAERI-Data/Code 98-032, 36 Pages, 1998/11
トカマクにおける相対論的電子の軌道を追跡するコードETC-Relを開発した。このコードの開発のために、相対論的電子の案内中心運動に対する正準ハミルトン形式を新たに導いた。このとき、案内中心の運動方程式はBoozer座標で記述される。そのため、軌道を実空間(デカルト座標)で可視化するための写像ルーチンも開発した。また、ETC-Relコードを用いてシミュレーションを行い、ディスラプション時の磁場揺動が逃走電子の無衝突損失を引き起こすことを実証した。この予測は、逃走電子発生を回避するプラズマ緊急停止に関して最近行われたJT-60U実験とよく一致する。
J.Eichler*; 市原 晃; 白井 稔三
Physical Review A, 51(4), p.3027 - 3035, 1995/04
被引用回数:54 パーセンタイル:90.81(Optics)重イオン原子核と軽元素原子との衝突で生じる輻射電子捕獲について、放出光子の角度分布を計算し、重イオンの電荷および入射エネルギーに対する依存性を調べた。輻射電子捕獲の断面積はradiative recombinationの断面積により定量的に再現されるため、radiative recombinationに関する厳密計算を行い、放出光子の角度分布を求めた。また、電子スピンの与える影響について考察を行った。
Th.Stoehlker*; C.Kozhuharov*; P.H.Mokler*; A.Warczak*; F.Bosch*; H.Geissel*; R.Moshammer*; C.Scheidenberger*; J.Eichler*; 市原 晃; et al.
Physical Review A, 51(3), p.2098 - 2111, 1995/03
被引用回数:105 パーセンタイル:96.62(Optics)高エネルギー原子衝突における、軽元素原子から重イオンのK-殻上への輻射電子捕獲の断面積を、Au、Pb、Bi、およびUについて測定した。得られた放出光子の角度分布は相対論的取扱いを考慮した理論計算の結果と良く一致することが確認され、これまでの非相対論的計算から導かれるsin分布に従わないことが見出された。また相対論的理論計算に基づき、輻射電子捕獲の断面積を見積もるためのスケーリング則を与えた。市原、白井、Eichler[Phys.Rev.A49,1875(1994)]の計算に基づく実験がドイツ重イオン科学研究所(GSI)で行われ、実験結果を共同で解析した。
Th.Stoehlker*; F.Bosch*; H.Geissel*; T.Kandler*; C.Kozhuharov*; P.H.Mokler*; R.Moshammer*; P.Rymuza*; C.Scheidenberger*; Z.Stachura*; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 98, p.235 - 239, 1995/00
被引用回数:6 パーセンタイル:54.86(Instruments & Instrumentation)高エネルギー領域における重イオン-原子間衝突で生じる輻射電子捕獲の断面積について、相対論を考慮した精密な計算を行い、非相対論的な双極子近似に基づく計算結果と比較した。重イオンのK殻上への輻射電子捕獲に対して、両者の結果はほぼ等しく、実験結果を再現している。一方、L殻上への輻射電子捕獲については、相対論を考慮した計算結果は実験値と良く一致するが、非相対論的な取扱いでは実験結果を再現できないことが確認された。
T.Kandler*; Th.Stoehlker*; P.H.Mokler*; C.Kozhuharov*; H.Geissel*; C.Scheidenberger*; P.Rymuza*; Z.Stachura*; A.Warczak*; R.W.Dunford*; et al.
Z. Phys., D, 35, p.15 - 18, 1995/00
Uを110-140MeV/uで炭素原子に衝突させた際の、炭素からUのM殻上への輻射電子捕獲について、放出光子の角度分布を測定した。その結果、角度分布のピークが90°より前方で生じることが確認された。実験結果は相対論を考慮した理論計算の結果と良く一致しており、理論計算からは、放出光子の角度分布の非対称性がUのM(3s/2)状態への輻射電子捕獲に大きく依存することが示されている。市原、白井、Eichler[Phys.Rev.A49,1875(1994);A51,3027(1995)]の計算に基づく実験がドイツ重イオン科学研究所(GSI)で行われ、実験結果を共同で解析した。
Th.Stoehlker*; H.Geissel*; H.Irnich*; T.Kandler*; C.Kozhuharov*; P.H.Mokler*; G.Muenzenberg*; F.Nickel*; C.Scheidenberger*; T.Suzuki*; et al.
Physical Review Letters, 73(26), p.3520 - 3523, 1994/12
被引用回数:38 パーセンタイル:84.39(Physics, Multidisciplinary)Uを89MeV/uで炭素原子に衝突させた際の、炭素からUのL-殻(j=1/2、3/2)上への輻射電子捕獲について、放出光子の角度分布を測定した。j=3/2状態への輻射電子捕獲については、角度分布のピークが90°より後方に現れることが見出され、相対論を考慮した理論計算の結果と良く一致することが確認された。同時に、高Z価重イオンに対する輻射電子捕獲については、光子の角度分布が非相対論的計算から導かれるsin則に従わないことが明らかにされた。市原、白井、Eichler[Phys.Rev.A49,1875(1994)]の計算に基づく実験がドイツ重イオン科学研究所(GSI)で行われ、実験結果を共同で解析した。
市原 晃; 白井 稔三; J.Eichler*
Physical Review A, 49(3), p.1875 - 1884, 1994/03
被引用回数:78 パーセンタイル:94.42(Optics)軽元素標的原子に、裸の重イオン原子核を高速で衝突させた時に生じるradiative electron capture(REC)の断面積計算を行った。計算方法にはimpulse近似を用い、重イオン原子核上での1電子波動関数にはDirac方程式の解を使用している。この計算では、197MeV/uにおけるXe+BeのREC断面積の実験結果を定量的に再現していることが確認できた。一方で、295MeV/uにおけるU+Nに関する計算結果からは、より高エネルギー領域では相対論的な効果が無視できなくなることが示されている。
市原 晃; 白井 稔三; J.Eichler*
Atomic Data and Nuclear Data Tables, 55, p.63 - 79, 1993/09
被引用回数:17 パーセンタイル:70.81(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)電子1個を持った標的原子イオンに、裸の原子核を衝突させた時に生じる電子捕獲断面積を、相対性理論を考慮したアイコナル近似を用いて計算した。衝突原子の入射エネルギーは0.2~10GeV/uの範囲とし、将来の実験対象として興味の持たれているAu、U原子と、C、Al、Cu、Ag、Au、U原子間の衝突を扱った。照射物及び標的原子はそれぞれ、1s/2、2s/2、2p/2、あるいは2p電子状態をとるものとし、これらの全ての組合せから生じる状態間遷移について計算を行なった。
佐々木 茂美; 實川 資朗; 岩田 忠夫; 菱沼 章道
Japanese Journal of Applied Physics, 25(12), p.L964 - L966, 1986/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Applied)照射によって金属中に導入される点欠陥集合体の形成のメカニズムを知ることを目的として、ニッケルの電子線照射を超高圧電子顕微鏡を用いて行なった。その結果、420kの温度での照射で、これまでに見出されている格子間原子型転位ループおよびその近傍に生ずる積層欠陥四面体とは独立に、新たな変調構造が見出された。この変調構造は観察に用いた反射ベクトル(〔200〕反射)にほぼ直角でおよそ50ナノメートル間隔の縞模様から成っている。簡単な考察から、この縞模様は原子置換衝突によって電子入射面近傍に生じた原子空孔過剰層に数十ナノメートルの間隔で形成された小さな原子空孔型転位ループに由来することが推論される。
伊藤 公孝; 伊藤 早苗*
Journal of the Physical Society of Japan, 51(5), p.1639 - 1643, 1982/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Physics, Multidisciplinary)エネルギー依存性を持つ電子-イオン衝突周波数のモデルを用い、短波長のドリフトテアリングモードの安定性を解析した。電子温度勾配が存在すると、1≦V/W≦20程度の衝突周波数の領域で、磁気シアの存在にもかかわらず、このモードは不安定になり得る。プラズマ圧力については、不安定化のための下限及び上限があって、中間程度の値で不安定性があらわれる。代表的なプラズマパラメータでは、値が10%程度のときに安定となる。
俵 博之*; 川面 澄; P.Richard*
Physical Review A, 26(1), p.154 - 161, 1982/00
被引用回数:27 パーセンタイル:82.25(Optics)一回衝突の条件下で、入射イオンのK殻空孔へ直接に標的原子の電子が捕獲される時発生するX線(REC)をHeガスを標的として測定した。6MVタンデム型加速器を用いて、1540MeVのエネルギー範囲で、K殻にすでに空孔を持っているF及びFイオンを入射イオンとした。Fイオンに対する90°方向のRECX線発生断面積はBethe-Salpeterの計算値とよい一致を示した。F及びFイオンに対する全REC発生断面積は電子捕獲の全断面積より3桁以上小さいことが明らかになった。理論によると高エネルギーでの衝突では非放射過程より放射過程(REC過程)が強くなることが示されており、高エネルギー重イオン加速器を用いたRECX線の研究が興味深いことを指摘した。